にらめっこ
高橋 禮子
届きたる歌集の校正済まさんとふっくらいなり五個の昼食
「徐ろ」でなくて「徐」それなら「おもむろ」にする歌の校正
混じるにはあらず交じると言われれば確かにしかり即断をする
微妙なる味わいそして独自性ひと文字ふた文字油断をsるな
ほころびを見つけて補修するような気分にさせる赤鉛筆は
プロセスならん校正に手抜きはあらず生む覚悟です。
なかなかにこれでよしとは思えずに次の頁とまたにらめっこ
そとは雨かぜさえ強し夕べ見た桜散るなよ花いろ透かせ
このゲラを送り返せば空いろのわれのスペース少し広がる
きのうより十度も低い春まひるこもるリビングわれの工房