冬の月
　　　　　　　　　秋丸　康彦

　稲架ひとつ網かけられて夕日中

　駅員の目利きに頼る茸かな

　還暦の象の「はな子」に小春かな

　すぐ尽きる谷中銀座や冬の月

　介護度の順位上がりし母に夜着

　アイロンが障子貼りいる１２月

　落ち葉踏む日の斑の中にもぐら塚

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