「母の格言」
辻 智代
恋愛、結婚のうち、結婚についてのみ述べます。
私の結婚生活も影響が出ている、実家の母の格
言です。
「結婚相手は同じ価値観がでなくても似ているに
越したことはない」
実家両親は共に商売人の自営業で育ってます。
私が結婚した相手はサラリーマンの家庭に育ち、
夫もサラリーマン、まるで環境が違います。
母の言うには、
「今まで育って来た価値観は一度捨てて、相手の
家に合わせること」
「自分が育って来たのが当たり前だと言う事は
相手には通じないからね」
結婚して一緒に暮らしてみて、本当にその通りだ
と思いました。育った環境が全く違うと、何もかも
が気になって仕方ありません。これは、お互いに同
じで、どうしても口論になってしまいます。
自分を通そうとすればする程、結婚生活はしんど
くなって悩むばかりでした。
そこで到達したのは、一度、思いっきり気持ちをぶ
ちあけて話し合ってみることでした。
親の言葉も大事ですが、さらに、妻として夫の立場
で一緒に考え話し合ってみることにしました。
これが結果的に成功しました。
「納得するまでよく話し合う」、これが、私達夫婦
の一番の円満の秘訣になったような気がします。
これも、私の母が結婚する時に唯一、夫に対して
お願いした言葉ですが・・・。
「何があっても、智代の味方になってあげて欲しい」
誰が見ても夫婦円満な実家の両親で、とくに父親は
母の絶対的な味方です。
家の中では母が一番強いのですが、外では母は父
に口答えをしません。中々、私には真似の出来ない
とこですが・・・あとは、夫婦の温度差の調整でし
ょうか?
全く同じ人はいませんが、似た温度で物事を感じ
取れる人とは長続きすると思います。私は、母の格
言を大切にしながらも夫婦生活が難しかった時期も
ありました。
それでも、今の夫婦円満が続けられたのは、結婚
7年目に結んだ「婚姻契約書」のお陰でもあります。
あの時、担当弁護士を交えての夫婦の意思確認に
よる確認書づくりは、結婚式の再現のような緊張と
嬉しさでした。
今、大阪を発信地として「婚姻契約書」という結
婚の意思確認の文書化が広がりつつあるようです。
これも、離婚増加に歯止めを掛ける意味でも、母
の格言同様、意義あることと信じます。
おかげで我が家は、平和で落ち着いた日々を迎え
ることができました。
「結婚相手は同じ価値観がでなくても似ているに越
したことはない」
この母の格言からは少々外れた結婚ではありまし
たが・・・
辻 智代
(注)辻智代さんについては「お世話人」を参照。