師走名物「秩父の夜祭り」-2
宗像 信子
(開運道芸術部門顧問、咸臨丸子孫の会幹事)
翌朝、起きると窓の下は素晴らしい雲海でした。この頃秩父盆地では雲海が発生するというニュースは知っていましたが、まさかこのホテルからも見られるなんて思ってもいなかったので、感激でした。これは露天風呂に入って見るのも面白い体験かと思い、朝風呂と洒落こみました。
これがまた素晴らしい景色で、時間がたつと徐々に太陽が上がってくる方向から雲海が解けていき、雲海の中に秩父の町が浮かびあがってきました。
夜祭りだけではなく、こんな素晴らしい自然現象を見ることができた幸運に感謝しました。
冥途の土産が一つ増えたと嬉しくなりました。
次はたっぷりと地場野菜を使用した朝食を、もうこれ以上食べられないと思うほど頂き、大祭に向けて出発しました。
まず秩父神社に向かいました。秩父神社に納められている本町屋台がもう引き出されていて屋台の中でかわいいお嬢さんが日本舞踊をお披露目していました。
二人お嬢さんが乗っていて、曳かれている間もきちんと正座していたのには感心いたしました。
屋台は長い長い麻で編まれた二本の縄で曳かれていきます。
この二本の縄の間は神様がお歩きになる場所なので、その縄をまたがったり横切ったりしてはいけない神聖な場所だそうです。
秩父夜祭は、御田植祭で秩父市中町の秩父今宮神社の境内にある武甲山から湧き出た水(水幣)を、その年の収穫を祝うと同時に武甲山に還す祭とも伝えられています。
でも、最も知れ渡っている有名な伝説は武甲山の男神(蛇神・蔵王権現)と秩父神社の女神(妙見菩薩)が年に一度の逢瀬を楽しむというものである。男神には正妻がいて、神幸路の途中にある番場町諏訪神社の八坂刀売命であるとされる。2日に行われる「番場町諏訪渡り」は、年に1度の逢瀬を楽しむ許可を求める祭礼だといわれているそうです。また、御神幸祭のときには諏訪神社の前を通過する際、各町会の山車は正妻の女神を怒らせないように例外的に屋台囃子の演奏を止め数メートルすすむそうです。この風習も諏訪渡りと呼ばれています。
という言い伝えがあり、今日は不倫をしますよと正妻にお断りするという意味になりますよね。
昔から現在まで神様も人間もいろいろありますね。