春暖炉
大島 英昭
風を窓より入れて春暖炉
水温む木立と空を映しては
足跡の壊れ易さや春の土
夕鴉滑り来たれり茎立ち葉
ほろろ打つことも乾びし田と畑に
蛇いちご咲けるあたりに取水口
進むより退りて土筆摘みにかえり
鶏鳴や道に積まれし茄子の笛
背後からにはかに蝶に追い越さる
春雨のいつしか音の立つるほど
春暖炉
大島 英昭
風を窓より入れて春暖炉
水温む木立と空を映しては
足跡の壊れ易さや春の土
夕鴉滑り来たれり茎立ち葉
ほろろ打つことも乾びし田と畑に
蛇いちご咲けるあたりに取水口
進むより退りて土筆摘みにかえり
鶏鳴や道に積まれし茄子の笛
背後からにはかに蝶に追い越さる
春雨のいつしか音の立つるほど