国立劇場  「ひらがな盛衰記・源太勘当

宗像 信子
(開運道芸術部顧問、咸臨丸子孫の会幹事)

  国立劇場
 「ひらがな盛衰記・源太勘当

先日久しぶりに着物を着て国立劇場に行ってきました。
「ひらがな盛衰記」という演目でした。
あらすじは
主人公は鎌倉一のイケメン武士の梶原源太、そして悪役は弟の平次です。

ひらかな盛衰記~源太勘当・逆櫓・神崎揚屋 | 歌舞伎演目案内 – Kabuki ...

配役は兄の恋人の腰元千鳥に横恋慕している弟の平次が松本幸四郎、彼は仮病を使って出陣せず執拗に千鳥を口説いている。そこへ戦場から平次の手下の軍内が帰ってきて、源太がまもなく帰国すること、理由は宇治川の先陣争いで佐々木高綱に後れを取ったためで、父景時は源太に切腹を命じる手紙を妻延寿に届けたと告げる。
この妻延寿を中村魁春が演じています。私はこの魁春さんが中村松江と言われていた時から後援会に入っています。理由は伯母が入会していて亡くなった後、私が引き継いだわけです。初めて彼を見たとき、男性でもこんなに美しい女性になれるんだなって思いました。
そこへ鎌倉一の風流男と謳われている美男、中村梅玉演じる源太が優美な装束で帰って来ます。中村梅玉は中村魁春の実の兄でそれこそ若いころは美男でした。もぅ70歳ぐらいですが、まだまだ美男です。
出迎えた母延寿が夫景時からの文を読む間、平次は兄に向

いけずき(池月、生食)」の佐々木高綱と「する墨(磨墨)」の梶原景季 ...

かい宇治川の先陣争いの様子を聞き、源太が高綱に負けたと聞いた平次は、自分が兄の首を斬ると斬りかかるが、逆に源太に取り抑えられほうほうの体で逃げていく。源太は人払いして母に向かい、射手明神で父景時が過ちを犯した時、高綱が助けてくれた、その恩に報いるため、わざと先陣争いで勝ちを譲ったと真相を打ち明けて、切腹しようとする。延寿はそれを止め、源氏への忠義と父母への孝を尽くすのが武士の本分だと諭し、表向きには勘当する。それを見た平次は軍内と共に源太に再び斬りかかるけど、源太は平次を懲らしめ軍内を斬り捨てる。延寿は千鳥も不義の罪ということで源太と一緒に逃がし、源氏ゆかりの産衣の鎧を源太に与える。二人は母の温情に感謝しながら手を取って館を去っていく。
というようなお話です。
このコロナ騒動で歌舞伎の世界も自粛でしたが、ようやく再開したことはうれしいですよね。
笑えるのは現在の若手のイケメン代表役者の松本幸四郎が悪者での出演でした。
また兄の母親役を弟が演じるという歌舞伎ならではの配役でした。
歌舞伎の配役って面白いですよね。
兄弟で恋人や、酷いときは親子で恋人役を演じるんですから。