このコーナーは宗像信子講師(左)と安司弘子講師(右)の担当です。
盆栽美を堪能しました。
宗像 信子
(開運道芸術部門顧問、咸臨丸子孫の会幹事)
この7月に2度ほど大宮盆栽美術館に行きました。
この美術館は大宮の盆栽村の一角にあり、今は外国でも盆栽はブームになっていて外国人も多く訪れるそうです。
なぜ盆栽村と言われるかというと、戦時中に東京の盆栽職人がこの地に集結して疎開したからです。
私はどちらも研修の帰りに寄ったので、最初から関心があって行ったわけではなかったのですが、思っていた以上になかなかいい美術館でした。
なにしろ盆栽をつくづく眺めるのは初めてでしたので、何がいいのかよくわかりませんでしたが、なんともこの空間は心静まる、「あ~~! いいなぁ!」と思わせる場所でした。
私はボランティアガイドさんから「盆栽の起源は中国と言われており、2000年以上の歴史があり、 日本には平安時代から鎌倉時代あたりに渡来し、それ以来日本の文化として多くの人々に愛され続けた」ということを聞いて、その歴史を初めて知るという体たらくでした。
この盆栽美術館のコレクションギャラリーは、プロローグ、ギャラリー、座敷飾りという、3つの空間から構成されていました。
説明書にはプロローグでは、盆栽文化への導入部として、盆栽と深く関わりのある盆器、水石、絵画資料、そして歴史・民俗資料といった作品等を月替わりで展示しています。続くギャラリーと座敷飾りが盆栽の展示空間となり、ギャラリーでは5席、座敷飾りでは3席の盆栽を季節に合わせ、週替わりでご紹介しています。
とありました。またこの中は撮影禁止でした。
次に盆栽庭園に行きました。
説明書には盆栽庭園には常に40~50点の盆栽を展示しています。盆栽を360度すべての方向から見られる場所もありますので、盆栽の正面と背面の違いもご覧いただけます。ひときわ目立つ当館最大の盆栽、五葉松「千代の松」は、日のあたり方を調節するため回転式展示台に飾られています。
中央のあずまやと、本館2階の盆栽テラスからは、通常より高い視点から盆栽庭園を見ることができます。と書かれていました。
庭園では写真撮影ができたので、何点か写真をとりました。
展示されている盆栽には、樹齢1200年とかが何点もあり、400年、600年というのはざらでした。
手入れはやはり大変で手間のかかるものだそうですが、そうして何百年も育ててきているのだと思うと日本人の自然に対する心に感じ入るものがありました。
政治家が外国の要人の接待に使うこともあるそうです。吉田茂、岸信介、佐藤栄作などといった首相は何度も訪問しているし、実際にご自身でも素晴らしいコレクションをお持ちだったそうです。
そういった方々の盆栽も展示されていましたが、いったいいくらの値がつくのかは私などには想像もつきませんが、そういう下世話な推測はここでは止めて、純粋に心から日本の文化の盆栽の美しさに感激致しました。