「甦る仁のこころ 合同慰霊祭・特別記念講演」余談1


このコーナーは安司弘子講師(左)と宗像信子講師(右)の担当です。

過日「白河戊辰150周年記念事業」の核である大きなイベントが終了しました。
関係する自治体の首長や各藩の現当主をお迎えし、更に幕末に活躍した人物群のご子孫ら、また、歴史に造詣の深い研究者や歴史ファンが全国からご参加下さいました。その概要や感想はこのコーナーの共同執筆者宗像信子さんが紹介して下さいましたので、私はこのイベントを取り巻く余談的なお話をさせて頂きます。安司弘子

白河戊辰150周年記念事業
~「甦る仁のこころ 合同慰霊祭・特別記念講演」余談~

安司 弘子
(歴史研究会白河支部長)
このイベントに至るまでには諸々の布石がありました。
戊辰から120年の節目(昭和63年)にも青年会議所が合同慰霊祭を開催しています。鹿児島市・佐土原町・高知市・山口市・萩市・大垣市・桑名市・富津市・上越市・宇都宮市・黒羽町・棚倉町・会津若松市・福島市・仙台市・むつ市の関係者が参列され盛大に挙行されました。また、市内の戊辰スポットに看板を立て、「白河口の戦い殉難者名簿」を作成、「戊辰白河口戦争記」を復刻、司馬遼太郎の講演会を開催するなどもしています。

ふたたび戊辰戦争が注目されることになった大きなきっかけは、2011・3・11の東日本大震災の発生を受け東北復興支援として放送されたNHK大河ドラマ「八重の桜」でした。
福島県は放映に連動して観光事業の振興を目指す「桜プロジェクト」を立ち上げたのですが、そのなかで県南地方(9市町村)を担当することになった私は、ドラマに大きく関係する戊辰戦争のなかで、約100日もの間苛烈な戦場となった「白河口の戦い」を知ってもらうべくプロジェクトに携わることになりました。

白河では120年の時にあれほど啓蒙活動に取り組んだにもかかわらず、白河が戊辰戦争で激戦場になったことを今の市民の多くは知らなかったのです。
実は私もその実態をよく知りませんでした。白河口の戦いのスポットを紹介するパンフレットや小冊子などを作成するために資料を調べたりするうちに、鳥羽伏見から始まる戊辰戦争の中で最も大きな激戦場であり、いちばん長い戦場だったことなどを知るのです。         つづく