新連歌ー27


三裏

1、いとまなき人の世しばし離れ釆て   清

2、 書き送る文唐松の蔭        紅舟

3、湖に出でて動かぬ小舟あり      清

4、 水底に鐘しずめりという      紅舟

5、けはしさをつのらせ速き野分雲    清

6、 身も末枯るる行方悲しき      紅舟

7、いとせめて今宵の月は澄めよかし   清

8、 まれなる酒にたれ招くらん     紅舟

9、皆人の得がたき越の寒き梅      清

10、 布も雪野にさらす手織りぞ     紅舟

11、伝へ来し技を尊ぶ時にして      清

12、 設へこらす春の催し        紅舟

13、橋を行く老も若きも花語り      清

14、 待ちし政(まつり)のうららかな空 紅舟