1、いとまなき人の世しばし離れ釆て 清
2、 書き送る文唐松の蔭 紅舟
3、湖に出でて動かぬ小舟あり 清
4、 水底に鐘しずめりという 紅舟
5、けはしさをつのらせ速き野分雲 清
6、 身も末枯るる行方悲しき 紅舟
7、いとせめて今宵の月は澄めよかし 清
8、 まれなる酒にたれ招くらん 紅舟
9、皆人の得がたき越の寒き梅 清
10、 布も雪野にさらす手織りぞ 紅舟
11、伝へ来し技を尊ぶ時にして 清
12、 設へこらす春の催し 紅舟
13、橋を行く老も若きも花語り 清
14、 待ちし政(まつり)のうららかな空 紅舟