二表
1、心よき春のあけぼの夢さめて 紅舟
2、 峰に別るる雲の優しき 清
3、よみがへるふるさと母はつつがなし 紅舟
4、 書庫にゆかしき歌守り 清
5、苔厚く昔に変はる坪の内 紅舟
6、 酒の苦さを知らぬ若者 清
7、熊胆を飾る薬師の店通り 紅舟
8、 烏気ままに夕ぐれの空 清
9、いづ方も帰る家無き西東 紅舟
10、 かねて思ひし旅の行末 清
11、たまたまに拾ふた恋の深情 紅舟
12、 杉の梢のいさぎよきなり 清
13、雪もよひあたり淋しき月まどか 紅舟
14、 庵主筆をおもむろにとる 清