月別アーカイブ: 2017年5月

新連歌ー7

二表

1、まだしきに夏をあらますものあらん  紅舟

2、 輝く海を浮く帆掛け船       清

3、声あげて磯馴れ松も枝交はす     紅舟

4、 はや過ぎよかし嵐荒れくる     清

5、久々にあすは故郷近き宿       紅舟

6、 ことば訛りもおのづからなり    清

7、語りつぐ女はは昔都人        紅舟

8、 今は亡き夫国の守にて       清

9、かかげたる長押の槍に錆もなし    紅舟

10、 眺め楽しむ数奇の数々       清

11、一服のまゐらすお茶も加減濃き    紅舟

12、 泉へだてて宴する影        清

13、更けゆけば月さへ氷る師走空     紅舟

14、 山寺ならし寒きともしび      清


新連歌ー6

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 初裏

 1、奥深き竹の林の庵は秋      清

2、 名残の席のやつれ風炉釜    紅舟

3、さはやかに老いに仕ふる乙女あり 清

4、 昔を今になすよしもがな    紅舟

5、水上の清き流れのしづかなる   清

6、 名もなき魚の影ぞあやしき   紅舟

7、こととはん後姿の釣り師にも   清

8、 浮世の憂ひありやなしやと   紅舟

9、仰ぎ見る月はいよいよ涼しくて  清

10、 また風そよぐ沿衣藍染め    紅舟

11、待つ恋を知りそめしより歌あほれ 清

12、 形もやさしき君か文机     紅舟

13、ほろと散る花さへ窓に訪れて   清

14、 庭の奥にほ早蕨の綿      紅舟


新連歌ー5

新連歌ー5

初表

1、松もすぎいよよゆたけし鳩の湖     紅舟
2、 人の世をなほ祈る初春        清
3、そこかしこ野辺の若草萌えそめて    紅舟
4、 峠へつづく道霞みけり        清
5、かろやかな蹄の音の遠ざかる      紅舟
6、 急がぬ旅は宿も定めず        清
7、暮れてよし今宵は月も十六夜ぞ     紅舟
8、 いつしか黙す添水をかしき      清


新連歌集ー4


名残裏

1、野の奥に日毎の夕陽あかあかと    和伸
2、 やがて木枯し吹せ荒れぬべく    忠夫
3、波凍てて北の漁りを誘ふ頃      牟世
4、 形そのままに消え残る槽      宜博
5、飯炊ぐ煙主人の息づかひ       正謹
6、 窓には今朝も鳥の噸り       裕雄
7、見渡せば花ばかりなる小野の里    忠夫
8、 七つ紋付たけなはの春       執事