春近し-2
高橋 禮子
透き通る二月の空よ画布となれ描きてゆかんわれのこれから
水瓶座生まれでよかったわが肩に言葉湿らすみずがめひとつ
冷えのこるやよい二日の桜山ぐるり巡るも人まばらなり
咲くまえの桜大樹に耳を寄せしかと聞いてる水のたよりを
負けるのはことさらいやという人の洩らす言の葉カサリかさかさ
水茎とうことばころりと転がりて〈水を言葉も欲しがっている〉
春まろむポストの赤に差し出さん夕べ潤う手書きのたより
ひそやかにみずを香らす水だより君にひとこともう春ですね
烈公もごらんの通りさわさわと湧きでる泉に人ら寄りくる