みいつけた
高橋 禮子
あなたへの便りを書いてポストまでほろりほどける夕べのこだわり
みいつけた住む人あらぬ家の庭ふんぞり返ってカラスが歩く
歩かねば歌は詠めぬとやって来た「アクワワールド」大洗の海
中心にわれ在るごとく大いなる円を描けり水平線が
親潮と黒潮であうこの海に高くひびけよ鐘の音ひとつ
目の前のイルカのジャンプに眠りいる歌の心がめざめ始める
サギフエの動きに注目そのフエが横に向くとき緊張している
その昔さかなの仲間であったかと一瞬思えりサメを見ていて
「泳ぐのも歩くのもつまり同じだよ」言ってくれたり春のおさかな