煤払い 石原健二(やぶれ傘同人)

煤払い

 煤払い
              石原 健二

 しずまれる流れにひかり十三夜

 投げて積む稲こきあとの藁の束

 バス待つ間暮れゆく空に月の冴え

 縁先の豆乾す筵(むしろ)冬日向

 雪除けの藁に日差しのわずかなる

 風花のうだつに舞へる旧街道

 笹竹で仏くすぐる煤払い