迎春   

寒椿

 迎春
       花見 正樹

 まだ暗き星寒々と初詣

 知人みな笑顔で過せと初祈願

 初もうで祈る彼方に想い人

 葉書見て老い知らぬ友の筆に酔う

 旧友の添え字の乱れに老いを知る

 凧揚げの土手より霞む雪の富士

 すれ違う振袖姿に春香る

 枯れ梅に目白のつがいの囀りき

 集りし子や孫笑うカルタ会

 初もうで境内横に寒椿

 今年こそを止めて余裕の初日の出

 迎春の朝空に舞うとんびかな

 寒き朝道べに草の芽春近し

 新春の気配は空の蒼さにも