草の餅
きくち きみえ
土筆摘むだけの縁(えにし)の里におり
手荷物の一番上に草の餅
ひく波に阿波の砂音春の鳶
春眠の学生ひざの上に胴着
髪うすく吹かれ空には雲雀かな
とどまれば空ほつれゆく揚雲雀
牡丹の花に真向かう女なり
花見酒肩巾で足るカウンター
花衣なれたるふうに着てをりぬ
草の餅
きくち きみえ
土筆摘むだけの縁(えにし)の里におり
手荷物の一番上に草の餅
ひく波に阿波の砂音春の鳶
春眠の学生ひざの上に胴着
髪うすく吹かれ空には雲雀かな
とどまれば空ほつれゆく揚雲雀
牡丹の花に真向かう女なり
花見酒肩巾で足るカウンター
花衣なれたるふうに着てをりぬ