月別アーカイブ: 2014年2月

思い込みは邪魔なだけ

「思い込みは邪魔なだけ」
       倉本 真由美(仮名)

 恋愛、結婚の感想について、思いつくままに書いてみました。
 まず、目次でヒットしたものに「似たもの同士は反発する」があります。
 私と夫は似たもの同士です。でも、この目次と反対で、上手く行っていると言えます。
 生年月日も2週間違い、どちらも第一子、高校を卒業後はお互い同じ土地で過ごしていて、その後、地元で就職しています。
 さらに、親の年もほぼ同じ、テレビをでも見たいものは大体同じ、過去の話題も共通で盛り上がれます
 周りの方からは良く出来たご主人ですね、と言われますが……夫が我慢しているかも?
 普段、それほど会話はないですが、機嫌のいい沈黙がある感じです。
 上手くいっているのは、きっと夫の気持ちや行動が、仕事以外は、家庭と私に向いていると感じられているから! ん?
 でも、上手くいっているゆに感じるのは、似た者同士だからではなく、夫の気持ちの方向性かも知れませんね。
 結婚した頃、夫のことを何をするのも遅くてしんきくさいと感じていました。
 出かける時も、私より用意が遅いし…と、思っていました。
 それが、ある時、まだ幼いかった子供をつれて外出する時でした。
 私が、オムツ、よだれ拭き、おしり拭き、などと出かける直前になってバタバタと焦っている時、夫は、自分が用意すべきものはさっさとリュックに詰めて担ぎ、子供を抱いて表にいました。しかも、待っている事を感じさせない自然体でのんびりと、庭の花などを眺めて、余裕のある雰囲気なのです。

 それを見た時、あれ? 夫は用意が遅くてどんくさいと思っていたのに、用意が遅いのは私で、夫は、全く急いだ様子も見せないのに用意が早いことに気づいたのです。
 これが、私の見ている世界が反転した瞬間でした。
 どんくさいのは夫だと思っていたのに、どどんくさいのは私だったと初めて知ったのです。
 それからは、相手の事だと思っていたのが私だった、ということが続出して、それは、とても不思議な感覚でした。
 その日を境に、用意が遅いし何事もどんくさいと思っていた夫は、それなりにサッサッっと用意の出来る夫であることを知り、自分の思い込みの間違いに愕然としたものです。
 夫に何を言ったわけでもなく、私が夫を理解しようとしたわけでもないのに、夫の欠点と思っていたのが実は自分の事だったと気付いたのです。 これまでは先入観で、自分の欠点を相手にあてはめて見ていたことに気づき、自分を恥じました。
これは実に不思議でな感覚で、ここから夫婦関係が一気に好転したような気がします。
 この日を境にして素直な目で自分と相手を見るようになり、自分も欠点だらけの自分を取り戻しました。
 しかも、これを全てにあてはめてみると、恋愛も結婚生活も上手くいくような気がするのです。
 恋愛も結婚生活も、思い込みを捨てて素直な目で相手を見る……私にはこれが欠けていたのです。
 もう一つ、思い込みが変わった事件がありました。
 私の父は、家の事をほとんどしない人でした(これも実は思いこみですが)。
 そのため、男は女のする事を手伝わないと思い込んでいました。
 だから、結婚してからも、夫には、食事の支度を手伝って欲しいなどとは言えなかったのです それに、「ちょっと手伝って」と言って、拒否されたら傷つくし腹が立ちます。
 ある日曜日、昼食の支度で、天ぷらを揚げながらソバを茹で始めたところ、突然、寝ていた子供が泣き始めたのです。
 油は火止め、ソバは火を弱めて子供のところに行きました。すると、子供が粗相でオムツを汚たのに気づきました。
 台所では、天ぷらはほぼ揚がっていて問題ありませんが、ソバの鍋が心配です。
 思わず、新聞を読んでいる夫に「台所手伝って!」と声をかけました。結婚して以来のことです。
 すると、「いいよ!」と、気軽に立った夫は、なんと鍋に少量のビックリ水を入れて泡を静め、ソバの様子を見て火を強めました。それだけではないのです。油の入ったフライパンを再び熱くして、やり残した天ぷらの具材を揚げ始めたのです。しかも、自分が玉ねぎが好きなものだから、余分に1ケ取り出して皮を剥き、練った粉に絡めて、一気に天ぷらを仕上げました。その間に、ソバの様子を見て火を止めていましたから、それをザルに移して水道の蛇口の下で勢いよくさらし、全てが手際よく終わって、私が子供のオムツを替え終わって手を洗った頃には、なんと、食卓に天ぷら、ソバ、ソバつゆが揃っていて、夫は、冷蔵庫から生ワサビを見つけておろし金で擦り下ろしている最中でした。
 私は唖然として言葉もなく立ち尽くしていましたが、ふと、どうせ夫のことだからソバは湯で過ぎ、と思って気を取り直し、ソバを少しつまんで口に入れてみました。湯で加減が絶妙で、見ると、天ぷらも見事にこんがりと揚がっています。どうせ、まぐれだとは思ってみましたが、何だか毒気を抜かれたような気分です。
 それでも気を取り直して、少し嫌味かなと思いつつ、「これからは何でも手伝ってもらおうかな」と言ったところ、夫の口から出た言葉は単純明快で「いいよ!」・・・これだけでした。
 全く、今までの遠慮はなんだったろう? 目から鱗!! これからは何でも気持ちよく手伝ってくれます。
 思いこみで、いつも自分の中で葛藤しているんです。
 これが、人生を狂わせている。私にはそう思えました。
 恋愛、結婚、さまざまなケースがあると思います。
 離婚をするカップルが、日本でか世界でか知らないけれど半分あると聞いています。
 離婚する人たちには、それなりの幸せとは無縁なストーリーも沢山あるでしょうね…
 でも、その中には、私のような思いこみと勘違いによるコミュニケーション不足も多々あるような気がします。
 しかも、このコミュニケーションが一番難しいものだと思います。
 コミュニケーションの一つとして、女性が夫婦生活を断らないというのはどうでしょうか?
 男の人は、それを断られると、人間性まで奪われる、信頼していないように男性は感じるらしいのです。
 それに、それを拒絶すればするほど夫婦関係もギクシャクして女性の魅力も無くなり、男性の浮気の元をつくります。
 嫌だと思っても、とにかく受け入れて見るのも……それでも断りたいときは、せめて寄り添うだけでもいかがですか?
 ただ、これで男性が納得するかどうかは分かりません。
 男と女は火星と金星ほど違うらしいので、そこを理解して付き合うことも必要ですね。
 女性はよく「わたしのどこが好き?」などと男性に確認を求めますが、男性はこのような、どうでもいい事、どうにもならないことを言われるのが苦手でストレスになることも確かのようです。
 ならば、女性としては、多くの男性が「どこが好き?」とかの質問に、素直に回答できないことも知っておくべきです。
 そんな心配などしなくても、女性は、好きな男に愛されてる・・・こう信じて安心していればいいような気がします。
 と、これは私の独断でそう思っているだけで、世の中さまざま千差万別なのも承知の上での発言です。
 それと、男性はどうもポイント制らしいのです。
 そこで、女性側としてはポイントアップのための策を弄します。
 まず、男性の言動に、女性が喜ぶとポイントアップ。その逆がポイントダウンです。
 男性は単純ですから、男性がしてくれた事に女性が喜んでいれば、男性はいい気分でいられるらしいのです。
 ちなみに、私は週一程度ではありますが、夫に対して「私や子供の為に働いてくれてありがとう」とさりげなく言います。
 もちろん、何かしてもらったら「さすが!!」「すばらしい!!」「ありがとう!!」、このぐらいのことは言います。
 これえ、喜んでもらえて、また喜んで手伝ってくれるなら安いものです。口だけですから無料えす。
 それから、お買いものについての主婦の知恵です。
 どうしようかと迷った時は、パートナーに相談してパートナーが決めたものを買うとヒット!!、こんな例がよくあります。
 きっと、パートナーの声は、気付いていないだけで自分の陰の声のような気がします。
 そう思って聞くと、ありがたい言葉になります。
 ともあれ、我が家は私の作戦勝ち・・・こう思っていました。
 でも何だか、夫のほうが一枚上手のような気がしてなりません。
 さあ困った、こんな思い込みが頭を支配すると、また新たな対策が必要になりそうです。

(注)美容院経営、心理カウンセラー、エッセイスト。私(花見)の強力な取材協力者です。


二つのクリスマス・パーティ

二つのクリスマス・パーティ
              匿名さん。

 今ならずぶとい神経も、当時の私は、華奢で風で
折れそうな可愛い神経の持ち主でした。
 大学1年から2年にかけてファミレスでバイトし
た時、そこで1歳上の先輩Aさんに一目惚れしまし
た。でも恥ずかしくて、結局いつも遠くから見てる
だけで・・・なぜか、意識しちゃうと、話せなくて。
 他のバイトの仲間とは、何でもしゃべれたのです
が・・・そんなこんなで、約2ケ月ほど経った12月
のはじめ頃、たまたま、家の近くを散歩していたら、
同じバイト先の1つ上の男の先輩Bさんが車で通り
かかって、Bさんの彼女の家がすぐ近くで、その帰
り道とのことでした。
 そこで、家まで送ってもらうことになりました。
 車内で、いろんな話で盛り上がり、
“彼氏いないの?”
なんて、話になって、つい、その好きな先輩Aさん
のことを言ったら、なんと、Bさんは、そのAさん
とプライベートでも仲良しとのことです。
 Aさんも彼女はいないってことで、今度、Bさん
の彼女ともども、ダブルデートのセッティングして
くれることに話が弾みました・・ヤッホー! です。
 なんと、そのダブルデートはクリスマスイブの日
でした。
 Bさんの彼女とも初対面でしたが、Bさんの彼女
の家が偶然、私の家から車で10分ほどの所でした。
 すごく、気さくな方で、すぐにお友達になって、
そこで、Aさんも交えて4人でクリスマスパーティ
を開きました。
 夢のような一日でした。
 Aさんは、まだ車もっていなかったけど、Bさん
とその彼女の粋なはからいで、飲食を終わった頃、
そろそろ二人になりたいからって、Bさんが車を貸
してくれて、Aさんの運転で初めて二人で、夜景を
見にドライブにいきました。
 周りもカップルばっかりで・・・
 好きな人とクリスマスを過ごせるなんて、最高に
HAPPYな時間が過ぎて・・・。
 そんなこんなで、お付き合いがスタートしました。
 でも、当時の私は、自分のことをよく見られたい!
って気持ちが強くて、何を話そう、どうしよう・・・
この連続で、ちっとも自分の素を出せなくて、デート
が嬉しい反面、正直いってすごく疲れました。
 Aさんもサプライズが好きな方で、車を買ったみた
いで、でもそのことは、黙ってて、私をびっくりさせ
たかったみたい! でも、あいにく(;_;)ことに、A
さんの同じ年の1つ上の女のD先輩から、バイト中、
“Aさん、あんたのために車買ったよ。よかったね!」
って、先に聞いてしまいました。
 Aさんは、私が喜んでくれるかなって、いいながら、
そのDさんと中古車屋さんめぐりをして、車を買っの
です。
 Aさんは、まさかD先輩が私に、車を買ったことを
話したなんて、夢にも思ってないらしく、デートの時、
誇らしげに、「今日は車でデートだよ♪ジャジャーン♪」
みたいな感じです。
 私も私で、初めて知ったかのような下手な演技で、
デート開始・・・でも、なんだか本音で話せない自分
が嫌で、彼、せっかく、自分のために驚かそうと、は
りきっているのに、私があんまり嬉しそうじゃないか
ら、彼は彼でだんだん、テンション下がって、そのう
ち、せっかくのデートなのに、好きな人が隣にいるの
に、挙句の果てには、私の心の中では、Aさんは、同
級生のD先輩のことが好きなのかなあ??? と疑心
暗鬼に。
 その後のデートもぎくしゃく、なんでこうなるのと
自己嫌悪・・・思いとは空回りする自分に嫌気がさした。
 そんなほろ苦い思い出もあります。
 今となっては、人生経験が浅い当時は、自己中で、A
さんには、なんだか、悪いことしたなあって、思いです。
 その後、半年ほど経って7歳年上の彼氏ができました。
 彼は、姉のクラスメートで、たまたま姉と一緒に写っ
ている写真を見て、是非、会ってみたい!って、言われて、
ご対面!
 学生の私にとって、社会人の彼は、本当に包容力があり、
何でも話せて、何でも知ってて、おもしろくて、とっても
頼りになる素敵な方でした。
 私の家族もみんな、彼のことを気に入り、大学を卒業し、
私も社会人になって1年目、そろそろ結婚を意識し始めた
頃、彼の母親が長崎からいらっしゃるとのことで、一緒に
食事にいくことになりました。
 女手一つで育てた自慢の息子! 母親を思いやる彼の姿
を目の当たりにし、そのあまりのきづなの強さに、ショッ
クを覚え・・・結婚したら、長崎の実家で、歯医者を開業
することになっていたので、急に、知らない土地に一人で
いく不安に突然かられ、その後、なんだか、うまくいかな
くなり、多分、お母様に私は気に入れなかったようで、結
局、別れることになりました。
 結構、ショックで、半年ほど、引きずりました。
 そんな時、友達から、100人定員の出会いのクリスマ
スパーティーがあるから、一緒に行ってみない?って話に
なって、なにげなく参加し、そこで、出会ったのが、夫で
す?
 12月に出会って、6月に結納、3月に結婚と、あっとい
う間でしたが、結婚の決め手は、熱烈で誠実な彼とすにな
れる自分と飾らない優しいご両親かなあ! とっても、自
然な流れでした。自然って、大切ですね!
 こんな内容でいいものかと思いつつ・・・書いちゃいま
した!なんだか、久しぶりに、昔を懐かしみ♪ 今となっ
ては、ぜーんぶ、素敵な思い出、今の自分をつくってくれ
た貴重な経験、これをクリスマスがくる度に思い出して一
人でニヤついています。 

(注)やはり、過去の愛情遍歴があっての今の幸せですね。
 元教育関係で活躍し今は経営者としてもカウンセラーと
してもカリスマ性を発揮して活躍中ですから当然ですが、
文章力の凄さにも脱帽、文筆業にも向いていますよ! 


夕焼けの恋

「夕焼けの恋」
       児玉 多代。
 
 私は今、多忙です。
 ある生涯学習の勉強会で更級日記の講義を受けたり、明治座の若手花形歌舞伎、夜の部に駆けつけたりします。
 毎日、朝から晩まで何がしかの用があって出歩くのですが、やはり、年齢を重ねると疲れるのを最近は感じています。
 ところで恋に関していえば、だんぜん男性のほうが純情で、夢を持っているのではないでしょうか?
 私の周りの、再婚した友人夫婦らは、いずれもご主人が奥さんに尽くし、女性ははっきりと自分を主張しています。
 再婚を考える女性は、経済的な理由が多く、また他人と一緒に住むことに抵抗がない人ではないでしょうか。
 また、家族と一緒に暮らしている人も、結婚を考えるようですが、私の周りにいる仕事をしてきた一人暮らしの女性は皆独身を楽しんでいます。
 もう、一人暮らしに慣れて、誰かと一緒には住めません。
 気難しいご主人をもつぃ友人に、
「あなたは自由で良いわね。私は急いで帰って夕飯の支度をしなければ……」
 このようにうらやましがられたので、彼女に慰める意味もあって
「あのね、自由と孤独は表てと裏 あなたを待っている人がいる夕飯を楽しみにしてくれる人がいる、素晴らしいじゃないの。私は、これからぶらぶらして、知り合いの店で夕飯を食べて帰るわ。一人分の食事を作るのは面倒だから」
 これは半分は本音です。
 ただ、ちょっと見のいい男性に会っても、もう胸がときめかなくなったのは寂しい事です。
 昔、30年以上前ですが、平岩弓枝原作の”夕映えの恋”か”夕焼けの恋”か題を忘れましたが、家元の息子、若き日の団十郎と50歳の若尾文子の恋物語で、年があまりにも上だからとためらっていた若尾文子が結局恋にのめりこんでいき言ったセリフ、”女が女で無くなる前に、夕焼けのように赤く燃えたの”という言葉がありました。
 私のケースは、母と一緒に銀座の花見サロンに結婚相談に伺った内容が最後の恋でした。
 結局、相談内容と関係なく、その時の諸事情で結婚を断ったら、彼は怒り、こう言ってそれきりです。
「男が子供を産んでくれと言うのは、本気なんだぞ!」
 私が、恋人のままが良いと言ったものですから……。
 あれが私の夕焼けの恋だったのかも知れません。

(注)元ツアコンの親玉で数ヶ国語を操り外国旅行のガイドブックの著作も何冊もある才女です。