苦しい恋

「苦しい恋」
       大村 志穂(仮名)      

 胸の奥にくすぶっている苦しい恋の思い出を、この
機会に吐き出します。
 好きになってはいけない人との恋愛は、ドキドキ感と
苦しさの連続でした。結果的に、少しも良い事などない
ことを知ったことが学習効果だったようです。
 この彼のおかげで、キレイになる努力を惜しまない気
持ちになれました。
 実際にキレイになったとかではなく、それを習慣づけ
られたことに感謝しています。妻子持ちのその彼とは、
小学校の同窓会で、たまたま隣同士の席に座り、メル
アドを交換し、友人を交えて何回か飲みに行ったり、
花火大会に行ったり、そのうちに何人かと約束しても、
仕事があって、全員と集まれなくなり、連絡がつきやす
い彼と二人だけで、会うようになり、何回か二人で、飲
みにもいきました。
終電が終わる前にお互いにちゃんと帰っていたのですが、
ある日、話に夢中になり、お互いに帰りたくなくなり、
コンビニで、お泊まりセットを買いその晩は、ホテルに
泊まりました。
 彼とは、その時が最初で最後です。
 彼は、会社でも人当たりがいいので、メールのやりとり
が楽しいので、メルトモとしては暫く続きました。
 適度な長さの文章で、最近は、こんな風に過ごしてるけ
ど、あなたはどうなの? と、対話ができるメールなのです。
 彼は家庭がある人なのに、つい時間を忘れてメールをして
しまうほど楽しかったのです。
 彼からメールが来ると、いつも嬉しくなっていました。
 マメにメールは来ませんでしたが、暫くぶりにメールが
来ると、胸がトキメキました。
 しかし、所詮は妻子持ちの彼ですから、会いたいときに
会えません。そのイライラに我慢できずに、ついに別れ話
を切り出して・・・。彼との別れは辛いものでした。
 毎日、彼を思い出すたびに、口から心臓が出て来そうな
息苦しさに襲われるのです。
 これが一日に何度も続くのですからたまりません。
 こんなに苦しい思いをしたのは、生まれて初めてでした。
 その苦しさは、1週間ほど続きました。
 最近は、私に彼ができたから・・・と、連絡はとっていま
せん。彼には、「たまには飲みに行こう」とメールで誘われ
ますが、いつまでも実らない恋をしている訳にもいきません
から連絡は、とっていません。
 これでいいのか? よくないのか? いまだに自問自答し
ている私です。